時をさかのぼること、2001年頃…その後に「気づけば使われる言葉」という感じで、利用されるようになった一連の文章が存在しています。
「吉野家コピペ」って知っていますか?
ニコニコ大百科によれば、2001年4月にその文章は個人ブログにて公開されました。(現在は当時の記事をアメブロに移して掲載されているみたいです)
昨日、近所の吉野家行ったんです。吉野家。
Not Found 第3章 2001年4月7日更新分より抜粋
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、150円引き、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、150円引き如きで普段来てない吉野家に来てんじゃねーよ、ボケが。
150円だよ、150円。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で吉野家か。おめでてーな。
よーしパパ特盛頼んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、150円やるからその席空けろと。
吉野家ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
Uの字テーブルの向かいに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、大盛つゆだくで、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、つゆだくなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、つゆだくで、だ。
お前は本当につゆだくを食いたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、つゆだくって言いたいだけちゃうんかと。
吉野家通の俺から言わせてもらえば今、吉野家通の間での最新流行はやっぱり、
ねぎだく、これだね。
大盛りねぎだくギョク。これが通の頼み方。
ねぎだくってのはねぎが多めに入ってる。そん代わり肉が少なめ。これ。
で、それに大盛りギョク(玉子)。これ最強。
しかしこれを頼むと次から店員にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、牛鮭定食でも食ってなさいってこった。
全文は上記の感じですが、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)への転載を機に、一部改変を繰り返し使われ続けている「愛すべき」文章となっています。
当時は全文を掲載しつつ、「トレンド」に合わせて改変されたりしていました。例えば、「大盛ねぎだくギョク」としていた部分が、「アタマの大盛」に改変されたり、「 それに大盛りギョク(玉子) 」の部分が「朝だけの別のり」に改変されていたり…とにかく、汎用性が高いということでした。
その後、全文をコピペするのではなく、一部だけ抜き取って、疑問に感じたり、おかしいと思ったことに対して「問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。」といってみたり、ゲームやらの初心者に対して、「まぁ、お前らド素人は、○○を○○してなさいってこった。」と、的確なアドバイスを投げかけたり(人による)します。…便利!w
当時はフラッシュ動画もたっぷり
インターネットの常時接続・高速化というものが一般的に大きく普及する少し前ということもあって、回線速度は控えめな当時でした。今みたいにYouTubeで長時間動画を高画質で!なんていうのは夢また夢で、当時流行っていたのは、「フラッシュ動画」と呼ばれるものです。比較的軽量で動画を表示できる点から、大きく広がり、YouTubeも公開からスマートフォンの大幅な普及・高画質化の前まではフラッシュベースだったって知ってました?
(当時、YouTube動画をダウンロードすると「SWF」形式でした…ダウンロードは違法ですし、そもそもYouTubeが違法動画の温床で、「アングラ」の一種でしたし…)
で、このフラッシュ動画に吉野家コピペ改変を載せたものが結構な数出回っていたわけですね…はい。(有名なのは、ゴノレゴ13(じゅうぞう)ですかね?)
ネットスラングの外に出て生き続ける!
上記の通り、様々な改変や一部の文章を引用して使われることが多くなり、最近では、日常会話にもぬるりと入ってくることが増えてきました(特に、問い詰めたいの下り)。
数年前の「吉野家無料(ソフトバンクの施策)」が行われたタイミングで、TwitterなどのSNS界隈で一時再燃したみたいですが、その後は…う~ん?
まぁ、当時の吉野家コピペを観ていた方々は、すでに40代手前~50代前後だと思いますので、何となく日常に使うのが憚れる部分がありますが、「流行りは回る」という言葉の通り、若い世代で再び流行っていくんでしょうね(おっさんの願望)。