映画「貞子」感想メモ書き(ネタバレあり)

待ちに待った、期待に期待が膨れまくる、日本の誇るホラー巨頭の一つである、「リング」シリーズを原作とした、映画「貞子」が2019年5月14日に公開されましたね。公開初日に「4DX」の方で早速視聴してきたのでその感想とか、内容とかをドドドンと。(以下、ネタバレを含む長〜い話となります)

劇場版「リング」は観ておきましょう

まずは、前提条件として、みんながよく知る、「テレビからにょっきり出てくる貞子さん」は健在なのですが、割と唐突に差し込まれるシーンのため、より深く理解するために、「リング」は押さえておきたいところです。
ちなみに、佐藤仁美さん扮する女性は、「リング」の頃からで続けている「レギュラー」のキャラクターということになっていますが、「貞子」のなんたるかについては、この人がキーマンになっていますが、シリーズを追って行かなくてもだいたい大丈夫です。…「リング」に比べると、セットのイメージがある、「らせん」の方はあまり人気がないんですよね〜。ある意味で、「リング」の解決編というかそういうイメージなんですけどね(本当の解決編は小説「ループ」だったりしますが…)

日本のホラーは「リング」から綴られる?

映画の内容なんかに行く前に、個人的な見解を少し。
所謂、ジャパニーズホラーの代名詞とも言える、「呪い」とか「恨み」と言ったものをベースとした話は、昔からあって、その中でも「四谷怪談」とか、「妖怪」だとかを題材にした作品が非常に多く、起源が「古いもの」が非常に多かった中で、「リング」というものが目につけたのが、「ビデオテープ」という、(当時として)新しいメディアであったというのが面白いところでした。
この「リング」という作品を前後して、「呪い」という題材も、少し変わり、都市伝説みたいな話と絡めた、起源を「新しいもの」へとシフトしていった感じもありました。
「着信アリ」なんかは、実に現代的な作品になっていましたね〜(個人的感想)。

怖すぎないホラーが万人にオススメできる内容

肝心の映画の内容ですが、ホラー映画としては、「驚かす」「怖がらせる」という、必ず実行しなければいけない内容について、特別な手法を用いたりするのではなく、「丁寧に」「狙った通りに」怖がらせることを主体としているように思いました。昔、ネットのフラッシュ動画などで流行った、全く関係ないシーンを流して、怖い画像を挟み込むようなびっくり系の作り方はせず、観客が見ていて、「ここは絶対来る!」という場所に間違いなくそのシーンを入れ込んでいるため、ある意味では、「安心して」見ることができる作品です。…そういう意味では、少しの物足りなさを感じる部分もあったりするわけですが、冷静に考えてみれば、「リング」って作品も、当たり前に怖いシーンをしっかりと作っているという印象があったかもしれませんね。
「絶叫死に顔」っていうのが、代名詞なところはありますが、テレビ画面からにょっきり出てくる貞子さんは、あの作品の中でも、一番の「仕掛け」だったと思いますね。
ちなみに、個人的に映画で期待したのは、今で言う「YouTuber」みたいな人たちを「がっつり呪う」という「無差別テロ」的な映画だったりしたわけですが、その作りについては、ある意味で否定されたと言うのが今回の作品ですね。作中も、動画の端々に「変なものが映り込む」という描画があったものの、それが原因で呪われてしまった人なんていうものはありませんでした。…まぁ、それやったら色々と問題が多くなるからやめたのかな?

貞子に繋がるキーマン「倉橋雅美」

劇場版と小説版では、主人公となる人物の「性別」からして違うため、オリジナルキャラも出てきたりするのが世の常ですが、冒頭でもある通り、気づけば作品のレギュラーとも呼べる人物となったのが、佐藤仁美さん扮する「倉橋雅美」というキャラクター。割と、中心人物に近い立場にいながらも、絶妙な立ち位置を維持していたため、主人公クラスはほぼ「死んでしまう」作品の中で、生き残ってきた最強のサバイバーでもあるわけですね。
今回も、突然出てきた「白装束の髪の長い女(貞子)」について、唯一の手がかりを保持している人物であったため、核となる部分に至ったところで、「超重要人物」として物語に関わってきます。…作中では、まさかあんなことになってしまうとは(予定調和)。

意外と人が死ぬ描写が少ないホラー

これって、リングの方でもそうだと思うんですけど、中心人物に関わる部分での死者描写が中心のため、作中で明確に「死んだ」描写を見ることがある人物が少ないというのが特徴だと思っています。
劇場版「リング」でいえば、主人公の姪に始まりますが、身内で明確に死ぬシーンがあるのは、元旦那さん(真田広之)で、「有名な映像」はここになりますね。…そう、リングはあんまり死なないんです!w
…今作「貞子」においても、「ニュースとして」死んだことになっているのは、5人となっていますが、映像として明確に死んだシーンがあるのは、1人だけで、生死不明状態で終わっているのが2人という印象です。…霊視と思える状態で、「過去に死んだ」と思われる人の描画もありますが、こちらはノーカウントで。…「着信アリ」はバタバタと人が死ぬこと有名な作品ではありますねw

映像で魅せる…けど説明がちょっと多くね?

今回の作品で「イマイチ」と思ってしまったのが、登場人物たちの台詞回しが、すご〜く「説明っぽい」と感じてしまったこと。説明なしにガンガン進められると困る部分は確かにあるんですけど、「間」を使うよりはセリフを詰め込んだ感じが少しありました。あとは、ラストは少し詰め込み過ぎた感じが強かったですね。特にラストシーンでは、お馴染みの、「ギョロッと目玉の超アップ」を入れる為か、無理やり映像化した感じが…。
先にも書いたように、「配信者の動画に変な映像」はあまり活かされていない感じもあり、そこを皮切りに、「配信者がどんどん呪われる」みたいな描写は一切ありませんでした。…ここはもうちょっとほりさげられたかもしれませんね〜。「撮ったら死ぬ」という文言になぞらえるなら、不法侵入した配信者に続いて、「俺も行ってみた」みたいな動画をアップロードする配信者出てきて、呪われてしまうっていうところまで期待してしまいました。…流石にそれはなかったですね〜。

好みは分かれると思いますが…

個人的には、「もう少し」という部分はありましたが、全体通して思い返せば、あっという間の約100分だったので、面白かったんだと思います。
映画専門サイトなんかを見ると、酷評をされていますが、「とにかくなんでも良いとこ探し」が信条の自分としては、この作品良かった探しとしては、なんだかんだで「リングらしさ」はあったんだと思います。個人的なリングらしさというのは、「主張し過ぎない呪い」だと思うんですよね。「呪われちゃった…なんとかせな!」と怖がりながらも奔走する登場人物達を見るのが、この作品で、最後には「関わった人はどうにもならない」という総オチが待っているのが期待したところで、(省き過ぎはありますが)そうなってくれて安心感はありますw
煮え切らない「気持ち悪さ」が残ってしまうのも日本のホラーらしいのかなぁ…と。
とはいえ、どんな作品でもそうですが、「期待し過ぎない」という予防線を張って作品に当たっていただければ、割と楽しめるホラーとなっていると思います。
…スピンオフ(ギャグ)漫画の「貞子さんとさだこちゃん」を先に読んでいると明らかに「別の視点」で作品を見ることができるのである意味でおススメです。(ホラー感が完全になくなるという副作用はありますが…)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です